「猫背の原因~episode2 原因からなりやすいリスクを考える~」
赤ちゃんが猫背になりにくい理由は前回お話ししたとおりです。
ということは逆に考えれば、猫背になりやすい理由が見えてくるはずです。
では、赤ちゃんを先生にして考えてみましょう。赤ちゃんが成長と共に獲得してきた能力、それは。
- 筋力
- 関節の柔軟性
- 興味、前向きな好奇心
- 活動性
これ以外に、赤ちゃんではあり得ないこととして付け加えるとすれば、
- 生活習慣
でしょうね。
これらのうちのいずれかあるいは複数に渡って該当すれば、あなたも猫背になっている可能性があるのです。
まず
筋力
これは特に説明もいらないかと思いますが、猫背になりやすい人は、全身の特に腹筋・背筋・骨盤周囲の筋力が低下していることが多いです。単純に、身体を真っ直ぐに保っておくことが出来ないので、重力に従って背中が丸くなるということです。
関節の柔軟性
これは、加齢とともに起こってくるので避けて通ることは難しいのです。そもそも背骨は、四角い骨に尻尾のような形状の骨が引っ付いた形をしています。それがいくつも積み重なって背骨を形成しています。その骨と骨の間に軟骨があり、骨同士がぶつかるのを防ぎ、しなやかに動く柔軟性を生んでいます。ところがこの軟骨も年齢とともに水分が減少し、硬くなります。そこでしなやかさが失われ、さらに特に女性は骨粗鬆症によって四角部分の骨が潰れてしまったりします。お年寄りが背中が丸まっているのは往々にしてこれに起因することが多いのです。
興味、前向きな好奇心
これは、一概には言えませんが、特に赤ちゃんはという話です。目にするものすべてに興味津々。もっと近くで見てみたい・触ってみたい・感触を確かめてみたい、そんな興味・好奇心が赤ちゃんの発達を促します。そしてこれは、目線に繋がります。下を向いてとぼとぼ歩いていては背中も曲がってしまいます。
活動性
これは1に共通するところが多いのですが、活動性が下がれば下がるほど筋力も衰えていきます。そうなれば、1に挙げたように、腹筋の筋力が衰えることにより背中が曲がり、背筋が過度に頑張りを求められることによって肩凝りへと繋がる。悪循環です。
生活習慣
暴飲・暴食によって体重が過剰に増加すれば、身体の筋力と脂肪のバランスが崩れます。
また、女性特有のもので言えばヒールの高い靴、これも実は猫背に繋がっています。高いヒール靴を履くと、本来の人間の歩行動作に支障をきたします。1歩踏み出した時、まず踵がつくのが本当ですがヒールがあることによって爪先から地面に着くことになります。すると、膝が曲がらざるをえなくなり、股関節(足の付け根の関節)も曲がることを余儀なくされます。股関節が曲がるということは相対的に腰も曲がることになり、結局猫背になってしまうというメカニズムなのです。
しかし、分かってはいるけど…というのが私達の生活。少しでも猫背にならないように、でも今の生活を続けられるようにするために、次回は姿勢や筋力トレーニングといった猫背の矯正方法をお伝えします。